平山郁夫|「シルクロードシリーズ」が代表作の日本画家

平山郁夫芸術家紹介

平山郁夫のプロフィール

平山郁夫

出典:平山郁夫美術館

名前平山郁夫(ひらやまいくお)
国籍日本
生誕1930年6月15日
死没2009年12月2日

平山郁夫の生涯

平山郁夫は、昭和5年6月15日、広島県瀬戸田町(現・尾道市)で生まれました。

旧制広島修道中学(現修道中学校・高等学校)3年在学中(15歳)に、広島市への原子爆弾投下により被爆しました。

17歳で東京美術学校(現東京芸術大学)日本画科予科に入学し、日本画家予科を卒業すると同時に日本画科副手に就任し、主任教授の前田青邨(まえだ せいそん)に師事するようになりました。

23歳の時、第38回院展にて「家路」が初入選し、その後何度も入選を果たしています。

昭和34年頃、白血球が減少するという原爆の後遺症に苦しみ、死の恐怖と対峙しました。
その時期に、「東京オリンピックの聖火は、シルクロード経由で運んではどうか」という新聞記事を目にしました。

日本画家として生涯描くテーマを模索していた時期と、死の恐怖と向き合う時期が重なっていた時に面したこの新聞記事から、”シルクロードの砂漠をゆく旅の僧(玄奘三蔵法師)がオアシスにたどり着く情景”をいう絵の構想を得ました。

求法高僧東帰図

「求法高僧東帰図」 出典:平山郁夫美術館

そうして生まれた一枚の「仏教伝来」は、第44回院展にて入選し、以後シルクロードにテーマを求めたシリーズの制作が続けられました。

同じ頃、第46回院展では「入涅槃幻想」を、第47回院展では「受胎霊夢」がそれぞれ日本美術院賞を受賞するなど、院展で入選を多数果たしています。

1960年代後半に入ると、シルクロードの遺跡や中央アジアを取材で訪れるようになり、30年以上かけて計150回以上訪問しました。

それに付随して、カッパドキアの洞窟修道院壁画の現状模写や法隆寺金堂壁画再現事業への参画、薬師寺の玄奘三蔵院伽藍「大唐西域壁画」制作を行うなど、世界各地の貴重な壁画模写や壁画制作に携わるようになりました。

59歳の時には、全国6都市で「平山郁夫シルクロード展」、ヘテランやカイロなど海外6都市で「平山郁夫 THE SILKROAD」を開催するなど、活躍の幅を広げていました。

さらに、パリやワシントン.D.Cなどでも、個展を開催しました。

50代以降には、東京芸術大学長に就任したり、ユネスコ親善大使に任命されました。
自身の作品に取り組むだけでなく、国内外を問わず後進の指導に邁進し、文化功労者として顕彰されたり、文化勲章を受章するなど、その功績が認められています。

平成9年、故郷の広島県瀬戸田町に自身の名前がついた平山郁夫美術館が開館し、翌年に滋賀県守山市に佐川美術館が開館しました。

佐川美術館では、開館記念特別記念展「平山郁夫・佐藤忠良の世界」が開催され、現在まで平山郁夫の作品を展示する展覧会が多数開催されています。

平成16年には、山梨県北杜市に八ヶ岳シルクロードミュージアムを改称した「平山郁夫シルクロード美術館」が開館し、平山郁夫の絵画やシルクロードに関連したコレクションが約9000点収蔵されています。

晩年を迎えても、再び東京芸術大学長に就任し、東京国立博物館特任館長に就任するなど、精力的に活動していました。

シルクロードシリーズも描き続けていて、シルクロードの砂漠を旅するラクダのキャラバンを描いた「大シルクロードシリーズ」は、21世紀に入って次々と発表された、代表作の1つです。

平成21年12月、脳梗塞により死去しました。

平山郁夫の作風

平山郁夫の作風は、次の特徴が挙げられます

  1. シルクロードをテーマにした作品
  2. 故郷の広島県の風景

パルミラ遺跡を行く・朝

「パルミラ砂漠を行く・朝」 出典:平山郁夫シルクロード美術館

昭和34(1959)年頃、平山郁夫は原爆の後遺症と思われる兆候が出て、死の恐怖と対峙せざるを得なかったと言われています。

そのころに目にした新聞記事をきっかけに、平和を祈る作品を作りたいという思いが芽生えたそうです。

日本文化の始まりである仏教伝来の道をたどることを目的として、シルクロードをテーマにした作品を制作するようになりました。

「大シルクロードシリーズ」や「玄奘三蔵への道」など、多数のシリーズが発表されています。

平山郁夫シルクロード美術館

出典:平山郁夫シルクロード美術館

平山郁夫は、故郷の広島県瀬戸田町の風景を、水彩画で多数描いています。

「仏教伝来」を制作する以前は、故郷の景色を題材にした作品も多く、原爆について描いた作品もあります。

故郷の絵ならではの温かいタッチや色づかい、素朴さが特徴で、平山郁夫美術館や平山郁夫シルクロード美術館などに作品が多数収蔵されています。

平山郁夫の作品

仏教伝来

仏教伝来

出典:佐久市立近代美術館

「仏教伝来」は、平山郁夫が原爆の後遺症の兆候で苦しんだ頃に、「1作でいいから平和を祈る作品を残したい」という思いから生まれた作品です。

シルクロードの砂漠を行く旅の僧がオアシスにたどりつくという憧憬を描いた「仏教伝来」は、この後に続くシルクロードをテーマにした作品のシリーズを描く上での大きな転機となっています。

現在は、長野県佐久市にある佐久市立近代美術館に収蔵されています。

薬師寺玄奘三蔵院「大唐西域壁画」

薬師寺玄奘三蔵院 大唐西域壁画

出典:法相宗大本山 薬師寺

平山郁夫は、シルクロードをテーマにした作品を制作するだけでなく、様々な地域との文化交流、壁画模写や史跡の保護などにも力を注いでいました。

奈良県奈良市にある薬師寺の壁画は、2000年12月31日に奉納されました。

実際に訪れたシルクロード各地の景色を、7場面13枚、全長49mに及ぶ大作で、平山郁夫によって20年近い歳月を費やして描かれた代表作の1つです。

年4回のみ期間限定で拝観が可能で、撮影は禁止されています。

平山郁夫の関連書籍

平山郁夫の世界

院展出品作を中心に代表作62点を収録。出世作「仏教伝来」(第44回院展)から、第91回院展「神峰黄山雲海図」まで、全掲載作品に美術館学芸員らの解説付。

出典:Amazon

群青の海へ―わが青春譜

広島での被爆、迷いと苦闘、仏教画への第一歩とシルクロードへのはるかな旅立ち、自らの半生の軌跡をたどりながら、「仏教伝来」以来の壮大な画業の内面のドラマをしるす感動の自伝。

出典:Amazon

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