ウィリアム・ターナー|「大気」を描いたロマン主義の画家

ウィリアム・ターナー 芸術家紹介

ウィリアム・ターナーのプロフィール

(出典:Wikipedia)

名前 ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナー
国籍 イギリス
生誕 1775(グレートブリテン王国(現:イギリス))
死没 1851(チェルシー、イギリス)

ウィリアム・ターナーの生涯

ウィリアム・ターナー1775年、ロンドンで理髪店を営むウィリアムのもとに生まれますが、母親が精神疾患持ちであったこともあり、学校教育も十分に受けられないまま少年時代を送ったようです。14歳の頃から風景画家トーマス・マートンの下で修業し、ロイヤル・アカデミー付属学校に入学します。1797年(22歳)にロイヤル・アカデミーに油彩画を出品し、その2年後、24歳の若さでロイヤル・アカデミー準会員に、26歳の時に正会員になっています。

《ケム川岸から望むケンブリッジ,クレア・ホールとキングス・カレッジの礼拝堂》(1793年)
出典:イェール・ブリティッシュ・アート・センター)

※ロイヤル・アカデミー…王立芸術院とも訳される、ロンドンの国立美術学校。イギリス最古の美術学校で、毎年美術展を開催している。

アカデミーに入学した当初はアカデミー受けの良い写実的な風景画を制作していましたが、準会員となって以降は有力なパトロンに恵まれ、順風満帆な画家生活を送っていました。この頃のターナーには、ロマン主義的な大気や雲の劇的な表現が特徴的です。

《海の漁師たち》(1796年)
出典:テート・ブリテン)

1802年に始めたヨーロッパ旅行ではフランスとスイスをめぐり、ルーヴル美術館で様々な作品に触れました。また1819年のイタリア旅行で訪れたヴェネツィアの風景をこよなく愛し、その後何度も訪れては風景写生のスケッチを残しています。

ターナーの絵画を熱狂的に購入した大地主ウォルター・フォウクスの死(1825年)、父ウィリアムの死(1829年)、及びターナーを「紛れもなくヨーロッパにおける最初の風景画家」と評価したロイヤル・アカデミー会長トマス・ローレンスの死(1830)に大きなショックを受けたものの、ターナーは着々と技術を洗練させていきました。

《国会議事堂の火災》(1835年)
出典:Wikipedia)

1840年にはターナーを自然への忠実さに基づき評価した美術批評家、ジョン・ラスキンと出会うなど精力的に活動を続けますが、加齢により体調を崩しがちになり、旅行の回数も次第に減っていきました。そして1851年、76歳の生涯に幕を下ろしました。

ウィリアム・ターナーの作風

彼の才能は早くから認められていましたが、経済的に独立できるほどの余裕もまた彼の自由な成長に拍車をかけていたようです。こうして成熟したターナーの作品は、鮮やかな色調と大気のような表現によって特徴づけられます。

批評家のジョン・ラスキンが彼を「自然の雰囲気を素早く、かつ的確につかみとる」ことの出来る画家と評価しているほど、彼は芸術の才に長けていましたが、ロイヤル・アカデミーの中には彼の絵画をアカデミーの「汚点」と評する者もいました。

ターナーは船、炎の他、日光や嵐、雨、霧といった自然現象に着想を得ていたといいます。一方で画題に当時の最新技術を選ぶこともあり、その主題の表現方法が批判されることもありましたが、これらは現在では高く評価されています。

《解体されるために最後の停泊地に曳かれてゆく戦艦テメレール号》(1838年)
出典:ロンドン・ナショナル・ギャラリー)

ウィリアム・ターナーの作品

雨、蒸気、スピード――グレート・ウエスタン鉄道

(出典:Wikipedia)

ウィリアム・ターナーにおいておそらくもっとも有名な作品です。当時世界最大の鉄道として名を轟かせていたグレート・ウエスタン鉄道の蒸気機関車を、極端な遠近法と素早い筆致によって抽象表現主義にも近い描き方で表すことで、そのスピードと迫力が効果的に表現されています。

吹雪:アルプスを越えるハンニバルとその軍勢

(出典:Wikipedia)

古代ローマ帝国にアルプス山脈を越えて侵攻するという、当時としてはあまりにも斬新な戦法をとったカルタゴの将軍ハンニバルと彼が率いる一団を描いています。灰色と黒色を基調に描かれた画面からは、彼らの行く手を阻む吹雪と険しい山々という、自然の厳しさが窺えます。

ウィリアム・ターナーの関連書籍

もっと知りたいターナー 生涯と作品(アート・ビギナーズ・コレクション)

19世紀前半を中心に活躍したイギリス風景画の巨匠・ターナー。その真摯に絵画に向き合った生涯を追いながら、多岐にわたる画風を整理し、画家の全貌に迫ります。ロイヤル・アカデミー、イギリス各地やヨーロッパをめぐる旅、ナポレオン戦争など時代背景、18世紀以前のオールド・マスター達など、彼をめぐる様々な事柄から、作品のテーマを読み解きました。さらに、若くして画家としての評価を得たターナーが、同時代・後世の芸術家・収集家に与えた影響も解説します。

出典:Amazon

ターナー画集(世界の名画シリーズ)

ウィリアム・ターナー(1725-1851年)はイギリスで最も偉大、最も有名な画家です。18〜19世紀にかけて活躍し、新古典主義のあとに台頭したロマン主義の巨匠です。
印象派が誕生する50年以上も前に、『波や、大気や、光を描き、自然の恐怖のような目に見えないものを描きました』。
写実的なスタイルから出発し、
印象派(本書「ヴェニスの入り江」等)、
抽象画(本書「カラービギニング」等)まで、100年かかる絵画の進歩を一人で成し遂げた稀有な画家です。

出典:Amazon

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