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エドヴァルド・ムンク|作品「叫び」を産み出した生涯とは

ムンク 人物紹介
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エドヴァルド・ムンクのプロフィール

ムンク

出典:ART LOVER

名前 エドヴァルド・ムンク(Edvard Munch)
国籍 ノルウェー
生誕 1863年12月12日
死没 1944年1月23日(80歳)

エドヴァルド・ムンクの生涯

ノルウェー出身のムンクは、幼少期から死が身近な環境で育ちました。ムンクが5歳の時に母が結核で亡くなり、その9年後には姉も同じ結核で亡くなりました。早い時期に身内が亡くなるという出来事はムンクの作品に色濃く反映されています。

ムンク自身も病弱で、ほとんど学校に通えなかったことから教育のほとんどは叔母や家庭教しを通じて学びました。クリスチャンで厳格な父の下で育ったムンクは、父の狂信的な家庭方針に苛まされ、「死」や「病」といった悲観的な環境に育ったこともあり、ムンクが表現するおどろおどろしさは幼少期に形成されました。

13歳の時に芸術家同盟に加入して油彩をはじめたムンクはのちに、機会技術師を学ぶために工科大学に進み、透視図を使ったドローイングも学んでいましたが、病弱が原因で退学したことをきっかけに本格的に画家を目指し始めます。

芸術を学ぶために、クリスタニア美術デザイン王立大学に入学したムンクは、人物造形画をマスターして、自然主義や印象主義など様々な表現方法に取り組みました。
しかし、印象派では本当に表現したいものが描けないと悟ったムンクは、内面的なものや表現による活力を描くために模索しはじめました。

その後、開催した個展が好評を得たことや、周囲の援助もあり国から奨学金を得たムンクはパリ万国博覧会に参加するためにパリへと移りました。

パリで出会ったゴーギャンの作品に影響を受けたムンクは、ゴーギャンの影響で版画制作もはじめましたが、父が亡くしたことで精神的不調が生じ、不安定な時期を過ごすことになりました。

1892年に招待を受けて開いた個展では、「接吻」「生命のフリーズ」などムンクを象徴する作品を展示しました。しかし、この個展で展示したムンクの作品は論争を引き起こしたことで、わずか一週間ほどで閉鎖となりました。一連の流れは「ムンク事件」と呼ばれ、皮肉にもムンクの名前を世界に知らしめることとなりました。

この頃のムンクの精神状態は非常に不安定なもので母、姉、父の死に続いて弟の死だけでなく、妹が精神を病んだことで、ムンクの作品により一層と暗い影をおとすことになりました。一方で、収入の改善と小さな漁師小屋を購入し、逃避地を設けた子ことでムンク精神的に安定したこともあり恋愛を楽しむようになりました。

1899年に出会ったトゥラ・ラーセンとの交際は、トゥラが迫ったことで結婚間近でしたが、ムンクの踏ん切りがつかず、破局しました。
1903年には、ヴァイオリニストであるうエヴァ・ムドッチに恋をして後に、「ブローチをつけた婦人」の作品名でエヴァをモチーフした作品を制作しました。

その後、不摂生によってまたも体調を崩しましたが、長期間の入院で精神状態を改善してからは、悲観的な作品とはうってかわり、色鮮やかで穏やかさを感じさせる作品を描くようになりました。晩年は、一人で静かに暮らしていましたが、権力者や占領軍に抵抗するレジスタンスの破壊工作の被害を受けて気管支炎をおこし、80歳で亡くなりました。

エドヴァルド・ムンクの作風

全体的に暗く、立体的ではなく平面的に描かれた作品が多いムンクは、人間の内部にある言葉や絵にするのが難しい不安や恐れの感情を表現することを得意としました。

ムンクの代表作品が多く発表された1890年代は、芸術運動が盛んな時期でヨーロッパを中心として起こった「世紀末芸術」の影響を受けている作品が数多くあります。

エドヴァルド・ムンクの作品

叫び

ムンクの叫び

出典:Wikipedia

「生命のフリーズ」のうちの1作品である「叫び」はムンクを語る上で外せない傑作です。
「叫び」は複数点、制作されています。はじめに作られたのはテンペラと油彩を併用したもので「叫び」のなかでも代表的なもので、自然を貫く叫びを聞いて恐怖から耳を塞ぐ男がいるこの作品は、不安や孤独感を独特の色使いで表現しています。

作品中の男性はムンク自身であり、「叫び」の制作について
「私は2人の友人と歩道を歩いていた。太陽は沈みかけていた。突然、空が血の赤色に変わった。私は立ち止まり、酷い疲れを感じて柵に寄り掛かった。それは炎の舌と血とが青黒いフィヨルドと町並みに被さるようであった。友人は歩き続けたが、私はそこに立ち尽くしたまま不安に震え、戦っていた。そして私は、自然を貫く果てしない叫びを聴いた。」
であると日記に残しています。

太陽

太陽

出典:心と神経の哲学/あるいは/脳と精神の哲学

晩年に制作された「太陽」は、暗く、絶望感を与える表現をしてきたムンクが描いたとは思えない「太陽」はノルウェーのフィヨルドを舞台にしています。
派手やかな色使いと大胆なタッチで描かており名前の通り「太陽」の存在感を引き出し新たな始まりを予感させます。

エドヴァルド・ムンクの関連書籍

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本の目次をみる
[巻頭言]
ムンクへの新たな誘い 文=田中正之
[特集]
名画《叫び》がもっと面白くなる4つの視点
[名画ギャラリー]
第1章 クリスチャニア 絵画への目覚め
第2章 フランスへ 新しい表現を求めて
第3章 ドイツでの悪名と名声 「生のフリーズ」
第4章 版画の表現力 多彩な試み
第5章 彷徨の時代 苦悩と新たな展開
第6章 祖国へ ノルウェー的主題の探求
[地図付き旅ガイド]
創作の舞台、祖国ノルウェーをめぐる
[生い立ち]
ムンクの生い立ち 写真でたどる生涯 文=田中正之
ムンクはいかにして「狂気の画家」となったか 文=亀山裕亮
[全文掲載]
サン=クルー宣言
[コラム]
病と死/クリスチャニア・ボヘミアン/愛の連作/カメラと写真/ニーチェとキルケゴール/イプセン
[エッセイ]
ムンクの生命力 文=山田玲司
北欧人にとってのムンクとは 文=オーサ・イェークストロム
まるでタイムマシーン 文=古市憲寿
エドヴァルド・ムンク略年譜
作品を所蔵する主な美術館
参考資料/図版クレジット

ムンクの生涯と作品を徹底ガイドする一冊です。
他にもムンクの故郷であるノルウェーを堪能するためのお得情報や名作「叫び」を深く学ぶことができます。

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