歌川国芳|斬新な武者絵を描いた江戸時代の浮世絵師

芸術家紹介
歌川国芳

歌川国芳のプロフィール

歌川国芳

出典:Wikipedia

名前 歌川国芳(うたがわくによし)
国籍 日本
生誕 寛政9年11月15日(1798年1月1日)
死没 文久元年3月5日(1861年4月14日)

芸術家名の生涯

歌川国芳は、寛政9(1798)年11月15日、江戸日本橋本銀町一丁目(現在の東京都中央区日本橋本石町4丁目近く)にて、染め物業の家に生まれたとされています。

幼少時の名は井草芳三郎、本名を井草芳三郎といい、幼少のころから絵を学んでいました。

12歳の頃に描いた「鍾馗提剣図」(しょうきていけんず)」という絵は、すでに熟練者のような画力を持っていて、浮世絵師であった歌川豊国の目に留まりました。

これがきっかけとなり、15歳の時に歌川派に入門しましたが、なかなか浮世絵師として評価が上がらず、不遇の時代が長く続きました。

30代に差し掛かるタイミングで、中国の「水滸伝」が流行した頃に描いた「通俗水滸伝豪傑百八人之壱人」が評判となり、”武者絵の国芳”と称されるようになりました。

躍動感溢れる武者絵だけでなく、緻密な人物を描く美人画、西洋の画法を取り入れた名所絵(風景画)など、抜群の画力を生かした絵をどんどん発表していきました。

41歳には約20歳年下の斎藤せゐと結婚し、同時期に屋号を「一勇斎」から「朝桜楼」に変えるなど、公私ともに充実していました。

しかし、このころ、老中水野忠邦による天保の改革が始まり、人情本や風刺画などへの取り締まりが強化され、絶版となった本もあるなど、浮世絵師は大打撃を受けました。

そんな中でも、政府の権力など風刺した「源頼光公館土蜘作妖怪図をはじめ、風刺のきいた絵を次々と発表し、江戸時代を代表する絵師となっていきました。

40代後半を迎えると、世間一般に流通しやすい大きさの作品でなく、大判三枚続の作品を制作するようになり、「里すずめねぐらの仮宿」などスケールが大きい独創的な作品を生み出していきました。

その後、西洋画で用いられる遠近法を取り入れ、人物をリアルに描写する写実画で忠臣蔵を描くシリーズに取り組みましたが、浮世絵になじんだ世俗には受け入れられず、大ヒットしませんでした。

安政3年(1856年)初め頃に中風(脳血管障害の後遺症である半身不随、片麻痺、言語障害、手足のしびれやまひなど)を患いました。
一時は回復し、作品制作を続けるも、人物の描写が硬直し、表現力の乏しさが目立つようになり、満足がいく作品が作れなかったと言われています。

文久元(1861)年、65歳の時、生涯を閉じました。

歌川国芳の作風

歌川国芳の作品の特徴は、圧倒的な画力と時代を先取る斬新な表現です。

歌川国芳

出典:アダチ版画オンラインストア
「通俗水滸伝豪傑百八人之 一人 短冥次郎阮小吾」

歌川国芳の名を広めた代表作「通俗水滸伝豪傑百八人之壱人 」は、力強く動感ある人物の描写が圧巻です。

1枚の絵の中にストーリーに出てくる人物を巧みに配置する画面の構成力も素晴らしく、大人も子どもも夢中になる要素が詰め込まれています。

歌川国芳

出典:山田書店美術部オンラインストア
「源頼光公館土蜘作妖怪図」

先進的な表現が豊富なのも、国芳の作品の魅力です。

例えば、政府への皮肉を込めた風刺画には猫や雀を擬人化したり、亀の顔を有名な役者に寄せて批判を表現するなど、斬新な表現方法を取り入れています。

浮世絵の描写方法にとらわれず、西洋画の遠近法や人物描写を取り入れ、寄せ絵やだまし絵、美人画など様々なジャンルの絵を描いた、圧倒的な画力を生かした稀有な絵師でした。

歌川国芳の作品

通俗水滸伝豪傑百八人之壹人 浪裡白跳張順

歌川国芳 通俗水滸伝豪傑百八人之壹人

出典:太田記念美術館

歌川国芳の名を知らしめた水滸伝を描いた「通俗水滸伝豪傑百八人之壹人」シリーズの中でも、特に有名な1枚です。

刀を加えた男の鋭いにらみ、筋骨隆々とした体、ぐにゃりと曲げられて描かれた水門の柵など、男の荒ぶった力強い姿を表現する描写が見事です。

水門を破る浪裡白跳張順という男の、最期を感じさせながらも豪傑な姿が伝わってきます。

みかけハこハゐが とんだいゝ人だ

歌川国芳

出典:Wikipedia

武者絵、美人画など様々な手法に取り組んだ国芳ですが、ユーモアに溢れた寄せ絵も秀逸です。

人体合体画シリーズの1枚で、体の線の柔らかい描写と線による顔面描写は、滑稽さと表現の豊かさが際立っています。

画力がある国芳だからできる表現です。

歌川国芳の関連書籍

歌川国芳 21世紀の絵画力

国芳の絵画力を思う存分楽しむ。府中市美術館「歌川国芳21世紀の絵画力」展図録!出典:Amazon

歌川国芳: 遊戯と反骨の奇才絵師 (傑作浮世絵コレクション) 

これぞ、江戸のグラフィックデザイン!物語の真髄をスリリングに描いてみせた第一人者―浮世絵の枠を超える奇想天外なアイデアで一世を風靡。軽妙洒脱な遊び心で禁令をくぐり抜け、庶民の喝采を浴びた。血湧き肉躍る、奇想の宝庫。オールカラー収録作品180点超。

出典:Amazon

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